装飾 背景

協会の会員の熱意を、より協会の内外へと伝えることで、PHRサービスの認知に拍車をかけていく


2025.06.03

対談者

九島 洋一(Yoichi Kushima)
株式会社プラスメディ 経営企画部部長

健康に気遣っていること:お酒と健康をどうやってマッチングさせるかを本気で考えながらお酒を飲むようにしている

武知 茉莉亜(Maria Takechi)
株式会社電通PRコンサルティング 第3PRソリューション局1部部長/チーフコンサルタント日本パブリックリレーションズ協会認定PRプランナー

健康に気遣っていること:歯磨きの際フロスを使うようにしている

橋本竹史(Takeshi Hashimoto)
一般社団法人やまなし空と風代表理

健康に気遣っていること:今年からスポーツジムに入会し、週4ペースで利用している

会社や業態が違ってもPHRサービス事業を普及させたい同志としてタッグを組んでいます

-今回はPHRサービス事業協会の広報委員を務めるお三方に集まっていただき、その活動など関して具体的にお話を聞かせていただきます。まず、広報委員会についてご紹介ください。 

橋本:私が口火を切らせていただきますが、二人ともよろしいですか?(全員笑)広報委員会は、PHRやPHRを活用したサービスの普及促進を目指す委員会で、3つのワーキンググループがあります。
当協会の会員同士が互いの事業に関する情報交換や連携、パートナー探しができる場を企画・実施する「会員間ネットワーキングワーキンググループ」、当協会の会員に対して協会の活動状況の可視化や最適な共有方法の検討を行う「協会内広報ワーキンググループ」、そして、私たち三人が活動している、国民、事業者、関連団体などに対するPHRの普及促進や、他団体との交流を推進する「産業界啓発ワーキンググループ」です。実は、私と九島は、武知が現在所属する電通PRコンサルティングに同期入社した間柄で、部署は違いましたが、同一案件をチームとして活動したこともあり、同じ釜の飯を食べた仲です。

九島:比喩が世代を物語っていますよね。(笑)

橋本:互いに経験と知見を高め勤続20年を過ぎた頃、九島は転職してしまうのですが、その後に武知が入社し、所属部署は異なりましたが、一緒にチームとして働いたことがある、後輩ながら頼りにしていた存在でした。

武知:光栄です(笑)

橋本:私も8年前に電通PRコンサルティングを退職して独立したのですが、PHRサービス事業協会に入会して九島と再会を果たし、武知もいたので、同じ会社に所属した経験を持つ三人が揃い、自分たちの得意とする分野で活動中です。

九島:私は、武知さんが入社する前には転職していたので、当協会に入会して初めてお会いしました。そして、橋本が頼りにしていた理由をだんだんと理解している現在という感じです。

武知:もうこれ以上持ち上げていただかなくて大丈夫です。(全員笑)

―お三方の関係までご説明いただきありがとうございます。それでは、各々が現在所属している会社と、その事業内容についてご紹介ください。

橋本:私は、前職を退職後に一般社団法人やまなし空と風という組織を立ち上げ、ヘルスケアの分野で、ヘルスリテラシーを高めるためのPRをベースにして色々なことにチャレンジしています。法人名は、私が幼い頃に山梨県で感じた爽やかな雰囲気を、私の事業を通して多くの方々にも感じていただきたいという想いを込めて命名しています。

武知:私が勤めている電通PRコンサルティングは、クライアントの様々なPR案件を取り扱うと共に、ソーシャルイシューをステークホルダーと一緒に解決していく、わかりやすく言うと、課題に対して、色々な方々と手を取り合って解決を探っていくという事業を行なっています。

九島:私が所属するプラスメディは、2016年に創業したベンチャー企業で、主な事業内容は、患者用電子カルテと連携した通院支援スマホアプリ「wellcne」、「MyHospital」事業、2025年5月に横浜市立みなと赤十字病院および大阪けいさつ病院との共同研究でスタートした、ドクター向けの疾患患者管理を目的としたスマホアプリ「FAROme」と言うPHR事業です。起業のきっかけは、弊社の永田幹広代表が、かつて潰瘍性大腸炎を患った時、病院に朝行って、病院を出たのが夕方だったこと。検査や診察の時間よりも待ち時間が圧倒的に長く、こうしたことを解決するための患者の待ち時間をなくすことを目的に最初のアプリ「MyHospital」を開発、以来現在3つのアプリと2つのサービスで事業を展開しています。特に複数社の電子カルテとスマホをつなげているのは弊社しかないので、ここは弊社の一番の強みと言えますね。

-会社としてでも、個人としてでも良いので、PHRサービス事業が、今、社会に必要であると思うことはなんでしょうか?

橋本:これまで地域医療というフィールドの中で色々とチャレンジしてきましたが、これからの時代、もっともっと地域医療が重要になっていくと感じています。地域医療がもっと身近に、もっと広がり、暮らしに直結するためのファクターがPHRサービスではないかと考えています。

武知:社会的に必要であると思うところはたくさんあり、すでに多くのサービスも増えてきて、レコードが蓄積されていっています。ただ、まだ眠っているレコードが多いので、そのレコード、いわゆるデータがどのように生かされていくかで、生活者一人一人のPHRサービスの使い方が変わっていくと思います。

九島:ご存知のように、AIが急速に身近な存在になってきました。AIというのは、データがなければ動かないですし、データを蓄積していかないと画期的な答えは見つからないはずです。なので、PHRサービスのデータというのは、これからはAIが拾ってくるためのデータとして活路を見出していかないといけなくなるかもしれません。PHRサービスを献血と同じようにしたいと思っています。献血のようにユーザーがデータを提供できるようにしていけるようになれば、ひとりでも多くの方の健康に反映されるようになります。PHRサービスで蓄積されたデータは、我々のようなPHRサービス事業に関わる事業者のためのものではなく、あくまでユーザーのレコードなので、ご本人がPHRによるメリットを実感できるようにする、そこからもう一歩進んで、疾患のあるなしに関わらず、日本の老若男女が快適に暮らすためにPHRサービスが役立てられるようにしていきたいです。

大阪・関西万博出展を機に、同じPR会社で培った知見と経験で、PHRサービス事業の普及拡大に拍車をかける!

―PHRサービス事業協会に入会したきっかけを教えてください。

九島:PHRサービス事業協会という団体が創設するという情報をもらい詳細などを調べると、とにかく入会しておかなければならないという結論に達し弊社は入会しました。やはり、企業が単独で行なっていることと、企業が団体化して行うことでは、全く違うはずです。どのような業界でも課題がありますが、その課題を一社で解決しようとしても困難ですが、複数社集まると解決できることが多々あると思います。

橋本:私は、地域医療の現場に足を運んでいて、地域医療に関わる方々がもっとハッピーになるにはどうすれば良いのかを日夜考えていた時に、参加したシンポジウムでPHRサービス事業協会設立のインフォメーションを聞いて、地域医療の現場の人々をつなぐためには、自分が何ができるかわからないけれど関わりを持っておく方が良いと考えて入会しました。

武知:私は、仕事柄各種イベントに参加する中で、経済産業省の方々がPHRのルール作りに取り組まれていることを知り、とてもダイナミックに今起きていることを肌で感じていました。その時は自分がどう関わることができるかまでは明確ではありませんでしたが、次の未来につなぐ何かを一緒にできたら良いなと思って、社に提案をして入会を決めました。

橋本:入会すると、興味のある委員会・WG(ワーキンググループ)に登録して活動に参加できます。そして、偶然にも電通PR、元電通PRの3人がここで揃ってしまったわけです。(笑)

九島:それぞれの経歴からしたら、偶然というより必然ですけどね。(笑)

―主にどのような活動をされていますか?

橋本:WG内で、月に一度、オンラインで定例会を開催しています。
そして、今まさにその渦中なのですが、大阪・関西万博の出展準備をしています。2025年6月24日の1日限定ですが、大阪・関西万博の会場でPHRサービス事業協会として特別ブースを設置して出展できることになり、「産業界啓発ワーキンググループ」で出展内容から集客方法までの企画を具現化していっています。私と武知の本業は、PHRサービスと直結したことを行なっているわけではありません。しかし、入会して、協会の会員の方々とお会いしたり話をしたりしていて、皆さんのPHRサービス事業に対する熱い思いを、日を増すごとに強く感じていました。しかし、一般的にPHRという言葉をどれだけの人が知っているかというと正直まだまだ認知していただけてないと思います。だからこそ、今回の万博出展を機に、来場者の方々に、協会の存在もそうですがより、少しでもPHRサービスのことを理解していただくと共に、PHRサービスが普及した時のことを体感していただける大きな機会になるよう準備しています。

武知:生活者の方々に身近な視点からと、とってもわかりやすくPHRを紹介できるよう協会外部の方にもご協力いただいて6月24日本番に臨みます。3人共、同じ会社に在籍した経験がありますが、部署は異なるので、得意とすることも違っています。九島さんがアイデア担当、橋本さんが実行担当、私が予算管理だったり俯瞰視させてもらって意見を述べてさせていただくようなちょうど良いバランスが取れていて、社内でチームを組むときのように、それぞれの得意とする役割の中で、連携しながら進めています。会員の皆様が、協会の他社と共同でPHRサービス事業を進めるときと同じような体制なのかもしれません。

九島:出展時のコンテンツもそうですが、動員手法、そして開催後のフォローまでを考えた上で、我々は動いています。集客は大事なのですが、6月24日大阪・関西万博に出展します、多くの方が立ち寄ってくれました、万歳!という、開催当日がゴールではなく、そこをスタートにしてPHRサービス事業の普及につなげていくことが重要です。

橋本:広報の基本は、ただ広く認知してもらうための活動ではなくて、やはりPR―パブリックリレーションズの言葉の通り、ステークホルダーとの関係性を構築し、それを継続していくことだと考えています。PHRを普及させていくには、掛け声や一時的な意識喚起だけでなく、社会システムとして暮らしの中に根付かせていくことが重要です。そのためには、政府・行政、アカデミア、民間に加えて、市民団体や生活者の活動も含めた連携が不可欠であり、特に医療や日常の暮らしの領域においては、そうした多層的な協働なしには前に進まないと実感しています。この考え方は電通PR時代から抱いていましたが、今の現場での活動を通じて、より一層強く感じるようになりました。PRの役割は、単なる情報発信にとどまりません。多様な担い手をつなぎ、関係を築きながら、社会そのものを動かしていく力こそが、今のPRに求められていると思います。PHRサービスは、健康で豊かな暮らしの実現に深く関わるものであり、その意味では、日本に暮らすすべての人がステークホルダーであると言っても過言ではありません。
だからこそ、広報委員会の一員として、その責任と役割を意識しながら、微力ながらもお役に立てるよう努めています。

*大阪・関西万博に関してはこちらから:
https://phr-s.org/contents/大阪・関西万博 イベント特設ページ/

―この機会に、現在PHRサービス事業協会への⼊会を検討されている企業の⽅々へメッセージなどあればお聞かせください。

武知:ドラスティックに次はこれをやってみよう、と追求できる環境が協会にはあると思います。チャレンジされたことを体外的にも協会内でもシェアしながら、PHRサービス事業の新たなヒントを次々と発見していただければと思います。新たな業界、業態としてPHRサービスが確立するために私たちのような存在がサポートさせていただく体制も整っていますので、是非是非、多くの方々との輪を広げてください。

橋本:現在の会員の皆様は、本当フレンドリーな方々ばかりで、会社や業種を超えて、なんでも話し合える場です。人脈が広がるだけでなく、発見やアイデアがそこここにあるようなところなので、ご入会いただいて、事業を活性することにつなげていただくと、日本の未来はもっともっと明るくなります。私も、地道に協会の広報とPRを両立させて皆様の事業のお力添えをしていきます。

九島:協会のネットワークミーティングは、実に素晴らしく、非常に可能性に満ち溢れていると思っています。ご自分たちが今何を行なっているのかを話して、皆、他の方々が何をされているのかしっかり聞いて、接点が何かを探っていきながら成果につなげられるようにしていっています。先日、協会内でどのような課題があるかのアンケート調査をした結果、マネタイズ、協業先をどう作るのかが、皆様の課題として多く挙がりましたが、これからネットワークミーティングを通じて、課題を解決する事例がたくさんできてくると感じています。入会することは、すなわち、この協会の有意義なネットワークミーティングに参加できることなので、そのチャンスを有効活用していってください。

-お忙しい中、ありがとうございました。

株式会社プラスメディ
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5-11神保町センタービル6F
2016年に創業、患者用スマホアプリ「wellcne」「MyHospital」「FAROme」事業、他PHRサービス事業を展開
https://plus-medi-corp.com

株式会社電通PRコンサルティング
〒105-7001 東京都港区東新橋1-8-1
株式会社電通グループのPR関連に特化し、総合型から個別まであらゆるPRソリューションでそれぞれの課題に合わせたプログラムを用意
https://www.dentsuprc.co.jp

一般社団法人やまなし空と風
〒408-0301 山梨県北杜市武川町三吹403
2016年設立、国民の心身における健康増進を目的とした各種プログラム事業、ヘルスケア関連の研究並びに広報活動、普及活動を展開
https://yamanashi-sorakaze.org

資料イメージ

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